ブラウザを最大化して開く必要はないよ! で言及した阿檀さんから反論が寄せられたので、再び記事にします。
読み難いと感じた読者にとっての手間は変わらないと思う
少なくとも、タイトルと当方で書いた内容はズレています。私は一度も、「ブラウザを最大化して開いている」と書いた覚えがありません。
Adan Kadan Blog 「モニターサイズがこれだけ大きくなっている時代に、」から結んだリンク先、「窓サイズ専用、《BROWSIZE.ORG》」の一覧表でお示ししたのは、「モニターサイズではありません。ブラウザーの窓サイズです。」
僕は前回の記事で言及したAdan Kadan Blogの記事の「“文月氏スタンダード準拠”を目指してみたものの」と書かれた段落の主旨を「モニターが大きくなっている時代に、可変幅のテンプレートを使用するのはナンセンスではないか」と読み取りました。(正確には「ウィンドウを大きく表示している人にとって、‘記事の幅を読みやすいように調整しろよ’と言うのは、いきなり音楽を鳴らすサイト運営者が‘嫌なら音を切れば?’と言うのと同等ではないか」というものだと思うのですが、僕は‘音楽を鳴らすサイト’について言及を行うつもりが無かったので、その部分は端折りました)
そこで冒頭に引用した阿檀さんの反論「ブラウザを最大化して開いているとは書いていない」があるわけですが、読み直してみると確かに阿檀さんはそんなことを言っていません。明らかに僕の読み違いです。申し訳ございません。
但しその反論を持っても、僕の主張にはあまり変化がありません。
僕が読み違えたのは阿檀さんが主張の根拠として持ち出している「訪問者のブラウザのウィンドウサイズを取得するアクセス解析」(BROWSIZE.ORG:ユーザーの本当の画面サイズ、知りたくないですか?)の存在を知らなかったからです。そんな面白いツールがあったのですね。
さて、阿檀さんがその解析ツールから分析して考えたのであろう「ブラウザのウィンドウサイズを大きくしている人にとって、記事表示部を可変幅にしているブログは不親切」(意訳)なのですが、やはりこの考えには疑問を感じます。
もちろん前回の最後の方にちらっと書いてあるように「CSSで制御できるようにさえしておけば、固定幅だろうと可変幅であろうと見ている人のほうで好きなように変えてしまえ」なわけですが、ユーザーCSSを使ってウェブサイトを読むという行為はちょっと敷居が高そう(実際、僕もいちいちユーザーCSSを当てるなんて事はしていない)だし、全てのウェブサイトをユーザーCSSで見ているわけじゃない限り、読み易くするために「閲覧者がかけている手間」については変わりません。
阿檀さんは「可変幅のデザインはウィンドウを大きく表示している人にとって、読みやすくするためのひと手間をかけさせる」というのですが、これって実は「運営者当人が読みやすいデザインであろうと考えて作られた、固定幅のウェヴサイト」でも同じなんですよね。読んでいる人がその固定幅を読み難いと感じてしまえば、その読み難さを回避する為に何らかの方策をとらざるを得ないわけで(我慢してそのまま読むというのもあるけれど)。固定幅で表示された文章を読み難いと感じた読者が、それを回避しようにもCSSを解除するかユーザーCSSを当てるくらいしか出来ないわけで、その手間がウィンドウサイズを変更する手間とどう違うのか、僕にはサッパリ分かりません。むしろウィンドウの外枠をドラッグする方が簡単なんじゃないの?
ウェブサイトの表示幅・記事本文の表示幅
2008年11月20日現在、僕が採用しているテンプレートはみりばーるさんの共有テンプレート[context]というものです。このテンプレートにソーシャルブックマークのコメントが表示されるようにしたり、サイドバーの色や表示される内容をカスタマイズしています。
たとえば現在のekken氏のブログを見た場合。「最近の記事」まで確認したければ、窓サイズは約1000pxです。記事カラムは約740px。別にekken氏のブログだけでなく、「Yahoo Japan」「朝日新聞」も全体を見るのには約1000pxです。
「最近の記事」というのはサイドバーの部分なのですが、僕はサイドバーに表示されている情報は「もし良かったら見てね」程度の物だと思っています。なので、環境によってはスクロールしないと読めない事は考慮済み。このブログ全体で最大表示幅1100px、最低表示幅734pxにしています(最低表示幅についてはテンプレート作者の設定による物ですが、最大表示幅は僕が書き足しました)が、あいにくmax-width/min-widthを解釈しないブラウザユーザーもまだ多いようで、そういう人にとっては、このブログのデザインで、なおかつ極端に表示ウィンドウを大きく/小さくしている人には読み難いのは否定しません。ビンボー人もとっととIE7以上が快適に使えるパソコンを買えばいいのに! ←暴言なんで取り消します
だからと言って僕がIE6を無視しているわけではなくて、IE6では横スクロールさせないで本文を読める最低限のサイズの時に、僕が最も読みやすいと考える表示幅になっています。好みの問題なので「いや、そんなことはない、もうちょっと1行の文字数は少ない方が良い」という人もいるでしょうが、これは「多くの人が読みやすいだろうと考えて作られた固定幅のウェブサイト」でも同じことですよね。
結局、ウェブサイトマスターは「自分が読みやすいと信じているデザイン」にしているだけのことであって、「可変幅は閲覧者の自由を得やすいので読みやすい」というのも「主流のウィンドウサイズに合わせて、適度な固定幅を設定したほうが親切」というのも、独り善がりに過ぎないのかな、と思ったり。
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Comments: 3
- #3888 TERRAZI URL 2008-11-20 Thu 17:21
本文とあんまり関係ないけど、このページは見やすいね。
見にくい/醜いページはuser.cssでなんとかしてしまうし、RSSのみで済むことも増えているだろうから、読むだけのページでのデザインは、運営者の自己満足に過ぎず、素のhtmlがベストなのかも。- #3889 ekken URL 2008-11-20 Thu 17:50
Yahoo!ブログはCSSを外すと(とりあえず本文は)読みやすくなるんだよね。
あとCSSを剥がした時に、頭からサイドバーの内容が表示されるブログって[これはひどい]といつも思っている。- #3890 阿檀 URL 2008-11-21 Fri 01:22
表の数値がモニター幅ではなくて窓幅であることは伝わったようで、ありがとうございます。
「全員を100%満足させる」レイアウトがないことはたしかに同意です。とはいえ、「より多くの人がすんなり読める」レイアウトを考えるには、元記事でふれたn=1000のアンケート結果は意味ないものではないと思うのですが。
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