2007年07月10日(火) コメント:2 トラックバック:2
以前から小倉さんの考える「匿名」とは何なのか疑問に思っていたので、小倉さんのブログのコメント欄で質問させていただいた所、その回答を記事にして下さいました。ご丁寧な対応、有難うございます。
予め申しておきますと、僕は小倉さんと同様、ネット上での卑怯性の高いコメントにはウンザリしておりまして、何とかこれを排除したいという小倉さんの考えには賛同しておりますし、その事は何度かブログ上で表明してきております。匿名性の維持を望むネットユーザーの中に、越後屋は小倉弁護士と仲が良いと考えているギャラリーがいるのは、そのためでしょう。
何でいちいちこんな事を書くのかと言うと、僕は小倉さんに対して何の敵意も抱いていない事をハッキリさせておきたいから。そのことをご了解いただいた上で、以下の文章を読んでいただけると幸いです。小倉さんがどうかは知らないけど、最近「異論を唱える人=敵意のある人」と認識する人が多いようなので、念のため。
ネット上での人格と現実空間での人格とを容易に同定できるのでない限り、「匿名」だと言わざるを得ません。そのネット上での発言の法的又は社会的な責任を現実空間での人格が実際に負うかどうかという点が、単なる別名使用と匿名の使用とを分けるポイントとなることでしょう。
これは僕が常用するハンドルである「えっけん」「ekken」「越後屋健太」が、小倉さんの考える「匿名」なのか否かという問いに対する直接的な回答です。結局小倉さんの考える匿名とは、辞書的な意味での匿名に近いということですね。ネット上で一定の認知をされている固定ハンドルでも、オフラインでの人格が同定できなければ「匿名」と言う扱いである事は分かりました。
だけどちょっと待って下さい。この考え方では、メディアに登場する著名人(作家、政治家、タレント、スポーツ選手など何でも良い)以外の大部分のネットユーザーは、たとえ本名を使っていようが匿名の扱いになるのではないでしょうか。
これは僕も含めて多くの人が既に指摘していることだけど、田中太郎などのありふれた名前(実在する田中太郎さんに何ら他意はありません、念のため)の人物が本名を使っていようとも、それをオフラインでの人格と結びつけるのは困難です。名前の他にも詳細な個人情報を明かさない限りは、どこの誰とも分かりません。いや、彼と近しい人であれば、その書き込み内容から判別する事は出来ると思うけど、他の多くのネットユーザーにとっての田中太郎は「ネットで本名を使っているらしいブロガー(あるいはコメンテーター)」という認識でしかないのです。
珍名・奇名ではない、どこにでもいそうな本名をネット上で使っていても、事実上の匿名と大差ないでしょう。事実上の匿名を回避するために、住所や電話番号などの詳細な個人情報を明かすのは、危機管理意識に欠けすぎていると思います。著名人にとっては、ネット上の人格とオフラインでのそれを一致させるのは、商業的にメリットがある場合が多いと思いますが(無論、デメリットもあるだろうけど)、一般人にとっては圧倒的にデメリットが多いわけで、あまり得策だとは思えません。
また「本名を使っているらしい」という事で、その人の発言に信頼性を見出すのは、僕は物凄く危険なことではないかと思います。
本名での発言を重視する事により、悪意のない発言者がより慎重な発言を心がけるのは確かだと思うのですが、本名発言を過大評価することによって、成りすましによる発言の責任も被るリスクが発生します。また、荒らしの自覚がない、自分の正義を信じて行われる本名の粘着コメンテーターに対しては、何の効果もありません。
「匿名発言では悪意に歯止めが利かない」というのが小倉さんの考えのようですけど、ある場所においては行儀の良い発言をしている人が、他のコミュニティにおいては暴言を撒き散らしているというケースも多々あります。
社会的責任を全うするために実名である必要がある、というのが小倉さんの主張のキモのようなんですけど、なんでもかんでも反対意見は荒らしと同じ扱いをしてしまう人が多い事からも、実名でなければ参加できないようなコミュニティにおいての発言はゴメンだなぁ。
そのうち続く。続いたらこの記事にトラックバックします。
続きは「別にコメント欄開放しなくたってコミュニケーション取れるでしょ」というハナシの予定。
書かないかもしれないけど。
このブログから小倉さんについて関連のありそうな記事を抽出してみた
- 小倉弁護士は「ネガティブコメント対策」への理想が高すぎるのではないかと
- 小倉弁護士の「共通IDシステム」をテキトーに考えた
- そもそも「多少のコスト」を覚悟できない人に「優秀な書き手」はいないと思うのですけどね
- Re:匿名だから固体識別もされないと思ったら大間違いで
- ネット上の発言においての実名と説得力
- 無題
- ウェブサイト上の「善意」に関する雑感
- 小倉弁護士への提案・他所へはコメントしないというスタンス
- ネットから離れるのがベストな選択かも
- そもそも他人のブログのコメント欄では誰もが「匿名」かもしれない
2007年07月10日(火)
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- カテゴリ:Web
- タグ[ Communication 匿名 ]


コメント(2件)
僕は小倉弁護士の文章を見て、
被告として訴えることが可能な相手=実名
弁護士らしい発言だなぁ、と思いました。あと、匿名は責任を負わない軽いポジションってだけであって悪くはないのかな、と。
ブログサービスサイドで利用の際の登録に、何らかの身分証明を提示させるシステムを求めるのは、僕はいい方向性だと思うのだけど、世間ではそうは思っていないようで、むしろサービスにおいても匿名性を保ったままの利用が求められているので、やはり小倉さんの望む世界は難しいだろうなぁ。
後はプロバイダの情報開示に期待するか。
いずれにせよ面倒かつ期待薄なので、自衛が必要だと思うのですけどね。