ウェブサイトのUIに関する話の定番ネタに「リンク先は同窓で開くか、別窓で開くか」というのがあるわけなんだけども。
私がブログを日常的に更新するようになった2004年あたりだと、「別窓で開く」を選んでいたと思う。面倒だから探さないけれども、当時そういう内容の記事を書いていたはずだ。
しかしその後いつの事からか、自分の考えは変わった。
……と書くと、現在の私が「同窓で開く」派と思われるかもしれないけれども、実のところはそうではなくて。
私の考えは、こう。
リンク先を同窓で開くか、別窓で開くかくらいは閲覧者がなるべく簡単に自由に選択できるように!そんなわけで、人力検索はてなに投稿されていた質問の回答選択肢が2択というのは、ちょっと無理があるような気がする。
リンクと別ウィンドウについて。実際、どう思いますか?
用意されていた選択肢は、以下の通り。
- 必ず、同じウィンドウで開く
- 外部サイトのみ、別ウィンドウで開く
この2つの選択肢しかない場合は、やむを得ず「同窓」を選ぶけれども、「必ず同窓で開く」だと「別窓では開かない」と思われかねないので、再び強調しておくけど。
リンク先を同窓で開くか、別窓で開くかくらいは閲覧者がなるべく簡単に自由に選択できるように! リンクターゲットは設定しないのが、より多くの人にとって幸福なのだと思う。大事なことなので何度でも書くよ!
……なんてことを質問ページのコメント欄に書いてきたところ、絵文録ことのはの松永さんからこんな意見が。
ekkenさんの意見は、ネットリテラシーや技術力が高い人向け限定です。もしウェブに関する専門的なサイトであれば、そういう方法を採用するといいでしょう。
しかし、たとえば一般サイトにおいては、外部サイトのページが別のウィンドウで開かないと「同じサイト内の連続した情報である」と誤解する場合があります。
一般的には、同じ窓で開くか、別窓で開くか、というのをブラウザ上でどうやったらいいかわからない人を前提にウェブサイトは構築されるべきだと考えます。
うーむ、さすが老舗ウェブログ運営者だけに説得力があるなぁ…… などと思ってはイケナイのですよ! 奥さんッ!
ユーザビリティの観点からだと、松永さんが言う同じ窓で開くか、別窓で開くか、というのをブラウザ上でどうやったらいいかわからない人を前提にウェブサイトは構築されるべき
というのはマチガイだと思う。何故なら、あるウェブサイトの閲覧する人の技術力の度合いなんて誰にも分からないから。
松永さんの考えでは「リンクターゲットを指定されていないリンク先を別窓で開く」ことは、それなりに技術力の要る行為なんでしょうけど、私の考えでは「リンク先が別窓で開く設定のなされているリンク先を、同窓で開く」事の方が困難だと思うのですよ。だって、リンク先を右クリックするだけで「リンクを新しい窓(またはタブ)で開く」のメニューが出てくるんですよ? 「初心者は右クリックなんて知らない。そんなことを知っている人はネットリテラシーの高い人だけ」という反論があるかもしれないけれど、リテラシーとか技術力を持ち出しすのならば、否定されるのはむしろ「外部リンクは新窓設定」でしょう。IE・Firefox・chromeのどれも、右クリックメニュー等の簡単に割り出せるところには「リンク先を強制的に同窓で開く」が存在していないのですね。リンク先が別窓指定されていても、これを無視するブラウザの設定方法もあるはずだけど、右クリックメニューや中クリックによる新窓開き方法の知識ほど一般的とは言い難い。
「同窓で開くと同じサイト内の連続した情報と誤解する」ことを危惧しているようだけど、リンク元・リンク先共に、よほど無個性なウェブデザインでもない限りは同じサイトの情報か否かくらい判別できそうな物。
そういうわけで同じ窓で開くか、別窓で開くか、というのをブラウザ上でどうやったらいいかわからない人を前提
にウェブサイトを構築するのであれば、尚のこと「リンクターゲットは何も指定しない」
……とは言え、この手の「リンク先を開く方法」に関するアンケートでは「新しい窓で開く」派のほうが優勢で終わることが多いような気がする。そんなわけで、ブラウザのオプションで「リンクターゲット属性を無視する」や「別ドメインのウェブサイトに移動する場合、新しい窓(またはタブ)で」というオプションが実装されたらイイのになぁ。
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