個人ニュースサイト新規参入者は、既存のサイトとの差別化を

面白いサイト・気になったサイトのリンクを列記していくタイプの、いわゆる「個人ニュースサイト」という物があります。人気サイトの定番スタイルの一つという要因なのか、あるいはこうしたウェブサイトの備忘録的な物を残したがる心理なのか分かりませんが、わりと気軽に始める人が多いようです。特に面倒な事をしなくても、ブログツールとブックマークレットやブラウザの右クリック拡張ツールを導入すれば簡単にスタートできるのも魅力なのでしょうか。

上記は、今僕がぱっと思いついた人気個人ニュースサイトなのですが、ここ2~3年の間に広まったいわゆる「ブログツール」を利用していません。

彼らのサイト開設が今流行りのブログツール普及前から存在している、というのも大きな要因なのでしょう。あるいはブログサービスを使わない、何らかの拘りがあるのかもしれませんが。

しかし、これから個人ニュースサイトを始めようと考える人は、当然ブログサービスを使ったほうが便利だし、簡単です。

リンクタグを生成するツールはたくさんあるし、ブラウザ上で更新できるから、更新作業は自宅のPCに限定されない。ホスティング型ブログサービスを利用していれば、模様替えをしたくなったときもとても簡単。バックアップをとる事に拘りがなければ、自分のPCのHDDを圧迫する事もなくサイト運営ができます。

ただし、この「個人ニュースサイト」という分野は偉大な先人が多すぎて、多くの人に注目してもらえるサイトを作りたい、という人にはあまり有利なジャンルではないような気がします。

少なくとも偉大な先人達が更新を続けている間は、同じ事をしているだけでは彼らの足元にも及ばない事は必至。

個人的には量で勝負するリンク列記型の個人ニュースサイトは、巡回先として数箇所もっていれば事足りると思うので、新規参入してもアクセスはあまり期待できないと思います。

全ての人がアクセス数を求めているわけではないのでしょうが、アクセスが少ないとモチベーションの維持が難しいと思うので、長く続けていく為には、先人と同じ事をやっていてはダメ。

後発の個人ニュースサイトの中にはブログサービスを利用している所も多いのですけど、やっていることは既存の個人ニュースサイトと大差なく、もうちょっと工夫ができないものか、と思うことが多いです。

そこで僕が既存の個人ニュースサイトに感じる不満点を挙げつつ、新規参入者に対する提案を。


過去ログを活用できるニュースサイトを!

大手個人ニュースサイトの多くが、かなり高頻度に、しかも大量に更新されるのですけど、流れてしまった過去ログについてはあまり活用されていない気がします。

そのニュースサイトの熱心なファンならば、見逃した更新分くらいはさかのぼるかもしれないけれど、一度に更新される量が多いこともあって、過去ログまで見る人は少ないんじゃないかなぁ。

あるジャンルに拘ったニュースばかり集めるタイプのニュースサイト(例えば萌え絵ばかりを集めたれいま | ブログなど)であれば、ログを辿る楽しみはあるけれど、量に拘ったニュースサイトの場合は、ログをあさるくらいなら他のサイトを見たほうが良いや、という気分になるものです(少なくとも僕はそう)。

そこで僕が思うのは、特定の話題を扱ったリンク先をまとめて抽出できたら良いのに、ということ。 ニュースサイト運営者の多くが、更新日を見出しにして、その日に見つけたサイトコンテンツをひたすらリンクしていくものですが、その日付内で多少ジャンル分けして整理されていても、後でそのリンク先を探す事が非常に困難なのです。

以前あのニュースサイトに取り上げられていた、あの話題はどこだっけ? という時にそのニュースサイトから再び見つけることは、ほぼ不可能。

これを回避するのは、実は凄く簡単な事で、はてなブックマークのようなタグ付けを施せるサービスを利用することなんです。

正直、個人的には大部分の個人ニュースサイトは、タグ付けができるソーシャルブックマークサービスで代用可能で、しかもその方が「閲覧者にとっての使い勝手」が優れていると思うのですが、デザインの自由度が少ないとか、コメントの文字数の制限があるとか、運営者サイドの細かな欲求を適え難いのも事実。

そこではてなブックマークは使わず、複数のタグ付けが行えるブログサービスを利用するのが、個人ニュースサイトの過去ログを有効利用する手段じゃないかと考えました。

具体的な方法としては、はてなダイアリーのような任意のカテゴリ設定を複数に行えるサービス。ekken♂:FC2ブログはサブカテゴリっぽいことも出来るのか!で書いたように、FC2ブログでもほぼ同じことが可能ですが、気軽さでははてなダイアリーの方が上でしょう。

他にも+LOVE IS DESIGN+: 新サービス「TagClick」を導入で紹介されているTagClickを利用するのも良い方法だと思います。

これらの方法を使う場合、日付毎のリンク列記はやめ、カテゴリ単位で1記事にすることが必要です。

取扱うリンク先の内容に一貫性がなくとも、タグ付けすることで読者が興味ある話題を見つけやすくなり、利便性が高まるはず。


独自の視点からつけたコメントを多く!

タグによる抽出の利便性を高めても、取扱うリンク先の量が多くなければあまり意味はないですし、今後はてなブックマークがさらにユーザー数を増やせば、これに敵うはずありません。

そこで扱うニュースの数を減らしても良いから、コメントの量と質を高める工夫をしたら良いのでは、と思いました。

僕が閲覧している個人ニュースサイトはいくつかあるのですが、その中でも特に好きなのが明日は明日の風が吹くです。

はたしてこのブログを「個人ニュースサイト」と呼んで良いものなのか、という疑問はありますが、リンク列記型ニュースサイトと異なり、そこでしか読めない「運営者の感想」を充実させることの差別化は大きいと思います。

リンク列記型ニュースサイトとの多くは「情報元:○○」と書いてあって、いくつかのニュースサイトを読むと結局大手ニュースサイトをいくつか読んでいれば事足りる事が多いのですが、明日は明日の風が吹くスタイルだと、そのサイトを訪問する意味を大きく感じるものです。その分更新は大変でしょうけれど。

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Comments: 5

#1064 LSTY URL 2006-05-02 Tue 14:52

 本人は意識されていないようなのですが、僕が最もスタイルとして優れていると思うのは「web街道を逝く」です。(http://b.hatena.ne.jp/ayacnews/)上記の「タグ付け」に限って言えばここだけで良いんじゃないかな、と。
 あと、これは僕の偏見なのかも知れないですけど、新興のニュースサイトの管理人って「元大手ニュースサイト閲覧者」で、なんとなく自分もやってみようと始めている人が多いような気がします。
 アクセス数が欲しいとか、そういうマーケティング的志向のない人が多い印象。さらに自分の意見を言いたいとかじゃなく、ただ好きだからやっている、という。何か、ブロガーとは全然違うベクトルを感じます、たまに。
 飽くまでも印象ですけど。
 そういう意味では「明日は明日の風が吹く」は、とてもブロガーと親和性の高いニュースサイトだと思いますね。

#1065 qp URL 2006-05-02 Tue 17:12

最近のニュースクリップやってるブログって個人ニュースサイトをやりたいってよりも「はてなブックマーク」のようなサービスを知らないって単純な理由が結構あるような気がします。
自分で見るためにブログに記録しておくって人は、ライトなネットユーザーには多いんじゃないかなぁ。

#1067 えっけん URL 2006-05-03 Wed 23:23

>新興のニュースサイトの管理人って「元大手ニュースサイト閲覧者」で、なんとなく自分もやってみようと始めている人が多いような気がします。

列記しているサイトの「情報元」として、超有名ニュースサイトが並んでいるだけのところを見ると、そんな感じかも。

>自分で見るためにブログに記録しておくって人は、ライトなネットユーザーには多いんじゃないかなぁ

そういう人が誰かにリンクされているのを知って、喜ぶか、「無断リンク禁止! ここは個人の趣味でやっているサイトなの!」と言い出すかなんだよなぁ。

#1073 向日葵 URL 2006-05-04 Thu 18:25

「明日は明日の風が吹く」さんのところは、他のブロガーの関心材料に自分の意見をつけただけで、あそこから発信される新規の話題はないと思うのですよ。これならばコメントをつけずに記事のクリッピングしてるだけのニュースサイトと違いはないと思います。明日の風さんは人に追従することしか出来ていない気がして、私はあまりあのブログに価値は感じません。いつも有名ニュースサイトからばかり記事を集めてますし、コメントもお行儀のよい枠から外さないので刺激のない意見ばかりですから。

#1074 えっけん URL 2006-05-04 Thu 18:38

それは個人の趣向の問題ですから、なんともいえませんが、リンク列記型ニュースサイトの大半は、どこかの「情報元」を持っており、どこも発信性はあまり高くないと思う。
個人的には自分の考えを一切書かない列記だけのサイトのほうがよほど価値が低いと感じます。

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Trackback from ひとりごと 2006-05-02 Tue 19:06

後発のニュースサイトで差別化は可能か? 

 えっけんさんの「個人ニュースサイト新規参入者は、既存のサイトとの差別化を」というエントリーを読んで、自分がどうやってニュースサイトを立ち上げたかについて思い出してみた。 (more…)

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